TOEIC SWの回答は短くてもいい?長い方が高得点なの?

皆さん、こんにちは。TOEIC SWを教えているMakieigoスクールの西牧です。

今回は受講生の方から頂いた質問で、「TOEICSWの回答は短くてもいいのか?」それとも「長い方が高得点に繋がりやすいのか?」ということにお答えしていきます

特に、スピーキングでは応答問題、情報に基づく応答問題、そしてライティングの写真描写問題とメール問題などは、長ければミスが増えますし、短すぎると不安になると思います。

そのため今回は、公式の採点基準も解説しながら、どれぐらいの長さで書いていくべきなのか、そしてどのような点に注意して書いていくべきなのかお話ししていきます。

Contents

TOEIC SWの問題内容

それではまずTOEIC SWの問題内容からお話ししていきます。ここではざっくりとした概要だけお話ししていきますが、問題形式はまとめると以下の通りです。

スピーキング

内容問題数概要
①音読問題2テキストを音読する
②写真描写問題2写真を30秒で描写する
③応答問題3短い電話インタビューに答える
④情報に基づく応答問題3スケジュールなどに基づき、必要な情報を伝達する
⑤意見問題11分間で自分の意見を述べる

この中でもよく質問をいただくのが、③応答問題、④情報に基づく応答問題です。

③の応答問題ではよく「最後に公園に行ったのはいつか?」「その時は誰と公園に行ったのか?」などピンポイントの情報を求められることが多いです。そのため、回答としては「I went to the park my my son」のように短く答えることもできますし、さらに「My son」と答えても明確に質問には答えられています。

④の情報に基づく応答問題も似たように、スケジュールに基づいて「会議は何時から始まるか?」「どの部屋で行われるか?」などが聞かれます。そのためしっかりとセンテンスで答えて「The meeting will be held in Room B」のように答えることもできますし、「Room B」ともっと短く答えることもできます

このような場面では、短く答えた方が間違いは少なくて済みます。しかし回答時間が15秒もある中でこれだけ短いと、ほとんどが無言の時間となり、これで大丈夫なのかと心配になると思います。

それでは次にライティングも見ていきましょう。

ライティング

内容問題数概要
①写真描写問題5指定された語句を使って写真を描写する
②メール問題2指示に従い、メールを作成する
③意見問題1自分の意見を述べるエッセイを書く

ライティングではよく聞かれるのが①写真描写問題と②メール問題です。

写真描写問題では1センテンスで書かないといけないため、そもそも回答が短くなります。そのため、少しでも英語力をアピールするために関係代名詞などを使って長く書いた方がいいのか、など気にする方が多いです。

メール問題に関しても、含めるべき情報が3つ指定されるのですが、その3つの情報さえ含んでいる最低限のメールを書こうと思うと、それぞれ1行で、合計3行、という回答もできないことはありません。
ただしこちらの問題も10分間もありますので、10分間でたったの3行というのは時間があまりすぎるため、何か問題がありそうと考える方が多いです。

問題形式の細かい部分に関しては、別の記事で書いておりますので、詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

TOEIC SWの採点基準

それでは次に採点基準を見ていきましょう。皆さんはTOEIC SWのスコアを上げるために回答の長さなどを気にしていると思いますので、そのためには採点基準を見るのが一番早いです。

TOEIC Speakingの採点基準

まずはスピーキングの応答問題のポイントだけ引用してみます。(情報に基づく応答問題もほとんど同じです)

採点 スケール採点ポイント
回答は質問に対して十分で、関連性があり、社会的にも適切な応答ができている ・聞き手はすんなりと理解できる
・適切な語彙・語句を使っている ・課題に合った構文を使って答えている
公式ワークブックより引用。太字はMakieigoによる

ここからわかるのは、特に回答の長さは関係ないということです。採点基準にそのようなことは書いていませんので、確信することができます。

採点スケール3の「十分で」という文言は気になりますが、これも十分であればいいということなので、必要以上に答えろというわけではありません。

ただし、気にしなくてはいけないのは、「社会的に適切な」と言う部分です。

例えば電話インタビューを受けていることを想像してください。その際に、社会的に適切な振る舞いをする必要があります。そのような場合皆さんはどのように答えるでしょうか?

「最近公園に行ったのはいつですか?」という質問に対して

「昨日」もしくは「昨日だけどさ、そんなくだらねーこと聞いてどうすんだ?こっちは忙しいんだよ」

というインタビューを想像してみてください。どうでしょうか?かなりぶっきらぼうで、失礼な回答だと思いませんか?確かに必要な情報は答えていますが、「社会的に適切か」というと、もう少し丁寧な言い方があるのではないか?と感じる人の方が多いでしょう

もちろん、こちらがインタビューに答えるのに合意していないのに、駅などで知らない人にしつこく聞いてこられた場合には、このような対応の方法もあるかもしれません。しかし、TOEICでは電話インタビューを受けるということを同意したという前提があります。

それなら日本人としては、最低でも「昨日です」とかつけるのが普通ですよね。そのためTOEICの回答でも「相手に失礼ではない」ということが重要になります。

TOEIC Speaking(応答問題と情報に基づく応答問題)の回答方法

それではそれぞれの質問で、どのようなことに気をつけて答えればいいのか、ということを最後にお話ししていきます。

スピーキング全体に共通して言えることですが、「センテンスで話す」ということが重要です。やはり先ほどの日本語の例と同じですが、インタビューですので、こちらもしっかりとした文で答えるのが社会的に適切である場合が多いでしょう。

もちろん100%センテンスにしなければいけないというわけではありませんが、日本語での例を見た通り、単語だけで最低限の情報を伝えると社会的には不適切なことが多いです。なのでもちろん、私にはあまり想像がつかず、いい例は思いつきませんが、センテンスを使わなくても、相手に不快に思わせずに、社会的に適切な答えができれば問題ないはずです。ただしなかなかそれは難しいので、センテンスにしておくのが無難でしょう。

ライティングの採点基準と回答方法

ライティングに関しては写真描写問題とメール問題では大きく変わりますので、別々に分けてお話しします。

写真描写

採点 スケール採点ポイント
以下の特徴を持つ1文で構成されている
文法的な誤りがない
・与えられた2つの語(句)を適切に使っている。
・写真と関連する内容が記載されている
以下の特徴を持つ1文もしくは複数以上の分で構成されている
文の理解を妨げない程度の文法的誤りが1か所以上ある
・与えられた2つの語(句)を使っている。ただし一つの文中ではなかったり、語形が正確ではない
・写真と関連する内容が記述されている。
公式ワークブックより引用。太字はMakieigoによる

ここで最も大事なのが3点を取るためには「文法的な誤りがない」ということです。そして2点の方を見てみると「文の理解を妨げない程度の文法的誤りが1箇所以上ある」となっていますので、ここから考えるとライティングの写真描写では、たとえ小さなミスであったとしても、1つでもあれば即減点、ということがわかります。

そのため、ミスをしないことが最重要になるので、できる限り短い文で書く方が良いです。もちろん、指定された2つの語句を使って短く書くという能力も必要です。そのため、うまく簡潔に書けない場合には、長くなってしまうのも仕方ありません。しかし、長くなればなるほど、文法のミスが起きる可能性が高まります。

そのためライティングの写真描写問題では、ミスをしないようにできる限り短く書きましょう。

メール問題

それでは次はメール問題です。まずは採点基準を見てみましょう。

採点 スケール採点ポイント
全ての課題を的確にこなし、設問で要求された情報、指示、質問を複数の文を使って明確に伝えている
筋の通った文章にするために一貫した論理構成で文章を構築する、または、適切な接続語を使用する、のうち、片方または両方がなされている
・文体や言葉遣いが返信先にふさわしい。
・文法や誤報の誤りが2,3あるが、言いたいことがわからなくなるほどではない。
解答内容はよくできているが、設問で要求された課題の1つが基準に達していない
・課題のうち1つを抜かしたり、うまく答えていなかったり、回答が完結していない
・少なくとも部分的には論理的な文章構成を試みたり、接続語も適切に使用している
・返信する相手のことが一応念頭にある
文法や語法に目立った誤りが見られる誤りがあるために言いたいことがわからなくなる1文がある
公式ワークブックより引用。太字はMakieigoによる

ここからわかる通り、メール問題では文の長さは全く要求されていません。実際に公式ガイドのコメントにも、「高い評価を得るためには、4文以上書くことを目安としましょう(公式ガイドP173 より引用)」とあります。また、その直前には5行で満点(4点)評価をもらっている例も実際に載せてあります。なので短くても満点が取れます。

それに加えて採点スケール2の「誤りがあるために言いたいことがわからなくなる1文がある」というのは非常に厳しい採点です。もちろん、それなりの分量を書くため、多少のミスは許されます。しかし、ミスがあっても意味が通じていれば、数個のミスは問題ないですが、意味がわからなくなると、一発で減点です。

しかし、こちらも採点スケール2の「文法や語法に目立った誤りが見られる」というのも気をつけなければなりません。特に「目立った」と言う部分が大切です

例えば1文しかセンテンスを書いていない場合、冠詞や前置詞の間違いは非常に目立ってしまいます。

しかし、メールが長ければどうでしょうか?例えば10行以上書いている中で、冠詞や前置詞の間違いが1~2個あっても全く目立たないと思います。そのため、小さなミスを目立たなくするためには、ある程度分量を書くと良いことが分かります。実際の公式ガイドの模範回答も、確かに5行で終わっているものも1つありますが、基本的には満点評価の回答は長めです。

それではメール問題でどのような意識で書いたらいいのかと言うと、

絶対に意味が分からない文を書かない、そしてできる限り間違いがないと自信がある文のみで、できる限り多く書く。

というのが理想です。

そのため、「もしかしたら間違っているかな?」と不安を持つような表現ではなく、普段使っていて、あまり間違えることがないような表現で書くことがとても重要です。

エッセイ

最後にエッセイについても少しだけお話しします。

エッセイに関しては、「できる限り短くしたい」という受験者よりも「できる限り長くしたいのに書けない」と言う方が多いですが、短くても高得点は可能なのでしょうか?

答えは「短くても高得点は可能」です。実際に受験者の声でも指定の文字数である300文字書けなくても満点を取れた、という方はいます。(確か280文字くらいだったと思います)

なので必ず300文字超えなければいけないというわけでなく、多少少なくても問題ありません。特に満点狙いではない場合には、無理に文字数を追いかけるのは必要ありません。

では短くてもいいのか、というと、必ずしもそうとは言えません。自分の意見を具体的な理由と例を使って伝えるためには最低限の文字数が必要になりますので、短すぎるのはよくありません。

また、「長さ」も英語力の高さの1つの指標となるからです。ほとんど同じ英語レベルや内容で書かれているのなら、短いものよりも長い方が有利です。単純に考えても分かりますが、長い文章を書くということは、それだけでも英語力が必要になります。そのため、長くなければいけない、というわけではありませんが、長ければプラスになります。(実際、同じETSが作成しているTOEFLの自動採点機能を使って実験してみると、同じ内容の回答に1文だけ簡単な英語をつけ足すと満点になる、ということがあります)

しかし注意するべきなのは「長いから評価が高くなる」というわけではないということです。長いからと言って、無駄なことばかり書いていたり、構成が悪かったりすると、もちろん評価は上がりません。むしろマイナスになります。

そのためエッセイに関しては、基本的な姿勢としては300文字を目指しましょう。しかし無理やり300文字書く必要もありません。また、論理構成がしっかりしていて自然と長くなったらそれはそれで高評価です。(ただし無理やり長くするとマイナス効果です)

エッセイの書き方に関しては、また今度どこかでお話できればと思います。

まとめ

今回はTOEIC SWでの回答の長さについてお話ししました。

基本的には長く書いた方がプラスの評価になる確率は高くなりますが、長く書くことが必要なわけではありません。長さを気にするよりも、しっかりと課題に答えることを優先として、あまり気にしすぎないようにしましょう。

Makieigoスクールでは、TOEIC SWの指導をしています。HPに載っているコース以外でも、ワンポイントアドバイスやレッスンなど、様々な需要にお答えしますので、何でもご相談ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

Contents