TOEIC Speaking発音・イントネーション評価:全問題の発音見られてる?

皆さんこんにちは!TOEIC SW指導を得意とする、MAKIEIGOスクールの西牧です。TOEIC Speakingを指導している受講生の方から、こんな質問をいただきました。

いぬ

TOEIC Speakingの発音・イントネーション&ストレスってどうやって採点されているのでしょうか?全ての問題の発音とイントネーションが関係しているの?

こんな質問に答えるために、今回はTOEIC Speakingの採点の方法を含め、発音・イントネーションの算出方法についてお話ししていきます。

スコアの算出に発音が関係があるのか知りたい方、発音・イントネーション対策はどうしたらいいのかわからない方など、ぜひご覧ください。

結論だけ先に知りたい人もいると思うので、簡単に結論を言ってしまうと…

発音・イントネーションの項目は、音読問題でのみ採点されている

ということになります。

しかし、これは公式から発表されているわけではありません。そのため、私の推測が入っているということはご了承ください。しかし、ほぼ間違いないと言えます。公式から発表されているわけではないのに、どうしてそのようなことが言えるのか?など、気になる方は、詳細に説明していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

Contents

TOEIC Speakingのスコア

まず簡単にTOEIC Speakingのスコアがどのように表示されるのか見てみましょう。

公式のHPより引用(https://www.iibc-global.org/toeic/test/sw/guide04.html

まず初めに目が行くのは、一番上にあるスコアでしょう。今回のサンプルではSpeakingは130となっていますが、一般的にはこの数字がスコアとして使われます。就活などでスコアを出す際には、そちらのスコアだけがあれば問題ないはずです。

しかしよく見てみると、左下にPronunciationとIntonation and Stressという項目があります。

(画像が見づらかったので、私のスコアレポートより)

今回お話ししていくのは、この項目がどのように採点されているかということです。

理由1:発音、イントネーション・アクセントの評価

それでは次に、発音、イントネーション・アクセントの評価はどのようになっているのか見ておきましょう。

Pronunciation(発音)

HIGH英文を音読する際、発音はとてもわかりやすい。
MEDIUM英文を音読する際、発音は全体的にわかりやすいが、些細なミスがある。
LOW英文を音読する際、発音は全体的にわかりにくい。
公式より引用

Intonation and Stress(イントネーションとアクセント)

HIGH英文を音読する際、イントネーションとアクセントが、とても効果的である。
MEDIUM英文を音読する際、イントネーションとアクセントが、ほとんどの場合効果的である。
LOW英文を音読する際、イントネーションとアクセントが、ほとんどの場合効果的ではない。
公式より引用

このように、3段階になっており、それぞれのレベル分けは非常にシンプルに行われています。

HIGHを取るためには「とても」わかりやすい、または効果的である必要があるため、なかなかハードルが高いことが分かります。

そして早速ここで発音・イントネーション&アクセントが音読問題のみで採点されているというヒントが出ています。

よく読んだ方は気づいたかもしれませんが、全てのレベルの説明に「英文を音読する際」とわざわざ書かれています。そして受けたことがある人はご存知の通り、音読というのは、最初の音読問題に該当するものと考えられます。それ以外にはTOEIC Speakingでは音読する部分はありません。

そのため、まずこれが、発音・イントネーション&アクセントが音読問題だけで採点されている、という証拠になります。

すでにこの時点でほぼ確定と言ってもいいと思いますが、もう少し深掘りしてみましょう。

TOEIC Speakingの評価基準

それではまずは、公式の情報に基づいてテストの構成とどのような部分が評価されるのかを見ていきましょう。まずはこちらの表をご覧ください。

公式より引用

こちらの表の右から2番目が評価基準となっており、どのような項目が評価されてスコアが出るのか、ということがわかります。

そこを見てみると一番初めの音読問題に関しては「発音」と「イントネーション、アクセント」と書いてありますので、採点基準に入っていることがすぐにわかります。

それでは他の問題はどうなのか見てみると、それぞれの採点基準の一番上に「上記の事柄全てに加えて」という記載があります。ということは音読問題の「発音」と「イントネーション、アクセント」は全ての問題で評価基準となっていると考えられます。

いぬ

ということはやっぱり全ての問題での発音やイントネーション・ストレスが関係してるのでは?

まっきー

確かにそう思う気持ちもわかります。しかしもう少し詳しく見ていきましょう。

理由2:TOEIC Speakingのスコア算出方法

正式に公開されているわけではありませんが、TOEIC Speaking&Writingの採点は、同じ団体が運営しているTOEFLと同じだと考えられます。TOEFLは世界的に受けられている試験ですので、かなり研究されていて採点基準も明らかにされていることが多いです。TOEFLとの関係に関しての詳細は、別の記事で紹介します。

ここでのポイントは、発音・イントネーションは採点項目には確かに入っているものの、ほんの一部になっているため、ほとんど採点に影響を与えないということです。

例えば、最後の問題の意見を述べる問題は、こちらの3つの項目でスコアが計算されます。

  • Language Use(表現力)
  • Delivery(流暢さ)
  • Development(展開)

そしてその中のDeliveryの最高得点の内容な下記の通りです。

Generally well-paced flow (fluid expression). Speech is clear. It may include minor lapses, or minor difficulties with pronunciation or intonation patterns, which do not affect overall intelligibility.

TOEFL Rubricより。太字はMakieigoによる。

こうしてみると、確かに発音やイントネーションは採点基準の一部となっていますが、Delivery(流暢さ)の一部分として出てきているだけです。

この3つの項目(Language Use、Delivery、Development)に対してスコアが5点満点で計算され、その点数の平均によって、総合スコアが決まります。例えばこのような形です。

Language Use  4点
Delivery     3点
Development   3点
= 総合スコア 3点

そしてここまで来ると分かりますが、確かに発音やイントネーションは、Deliveryの構成要素の一つとはなっていましたが、最終的にスコアとして出てくる時には、なくなってしまっています

また、TOEFLの採点官は、受験者の録音を1回しか聞かずに採点してると言われており、そもそもの3つの構成要素に加え、発音とイントネーション加えた5項目を、1回しか聞かずに判断するのは不可能です。

そのためTOEFLと同じように、発音・イントネーション&アクセントのスコアは、音読問題以外では出ていないと考えられます。

発音・イントネーション&アクセントが音読問題だけの評価と言える理由

今までお話をしてきた2つの理由により、発音・イントネーション&アクセントは、音読問題だけで評価されていると考えることができます。

もう一度まとめると

理由1: 発音・イントネーション&アクセントの評価に全て「音読する際」と明記されている
理由2: 発音・イントネーション&アクセントは他の問題でも採点基準であるDeliveryの一部だが、Deliveryの評価にまとめられてしまう。

ということになります。

音読問題は、総合スコアとは関係ない?

それでは少し話を広げてみましょう。音読問題だけで発音・イントネーション&アクセントが評価されているということは、音読問題は200点満点の通常のスコアの方には影響しないのでしょうか?

もしそうであれば、いくら音読問題で失敗しても総合的なスコアには影響しないため、安心できる人が増えるかもしれません。また、総合スコアだけを狙っている人は、対策をしなくていいということになります。

しかし残念ながら、音読問題も総合スコアには影響していると考えられます。

その理由は一つですが、ETSから出されているスコアの算出方法についての論文です。英語ですがそのまま引用したいと思います。

The Consistency of TOEIC® Speaking Scores Across Ratings and Tasksより引用

少々難しく見える表ですし、古い情報が入っているので少し注意が必要です。

簡単にまとめると、真ん中の四角い枠で囲まれている1~11の数字は、それぞれの問題番号を示しています。(10のPropose a solutionは昔の形式です)

その中の1と2が音読問題にあたります。その隣の3番は写真描写問題です(昔は写真描写が1問だけでした)。

そしてその上を見ていただくと、Rator Scoreというのがあります。それがそれぞれの問題に作られるスコアになり、それを元に総合点が出されます。

その前にその上のClaim Levelというのを見てください。ここでは、音読問題と写真描写問題がまとめて一つのスコアとなり、C1(Intelligible:理解可能かどうか)にまとめられて、そこからさらに総合スコアが出ています。

このように考えると、音読問題も写真描写問題と同様に扱われている=総合スコアに影響する、と考えることができます。

あともう1つ付け加えるとすると、公式ガイドブックなどでも「各項目の合計からスコアが計算される」と記載があり、特に音読問題以外とは書いていません。

発音・イントネーション&アクセントを上げる方法

それでは最後に、発音・イントネーション&アクセントの評価を上げるためにはどうすればいいのか考えてみましょう。

ここまでで分かった通り、発音・イントネーション&アクセントは、音読問題だけで評価がされるため、音読問題だけ対策すればいいということになります。それでは採点基準をもう一度簡単にまとめておきましょう。

HIGH発音: とてもわかりやすい
イントネーション&アクセント: とても効果的
MEDIUM発音: 些細なミスがある
イントネーション&アクセント: ほとんどの場合効果的
LOW発音: わかりにくい
イントネーション&アクセント: ほとんどの場合効果的ではない

発音

ここからわかることをまずは発音から見てみましょう。HIGHの「とてもわかりやすい」だと、最低の基準としては非常に分かりづらいですので、MEDIUMを見てみます。すると、「些細なミスがある」とすぐにMEDIUMに落とされるということです。

そのためほとんど完璧であっても、多少のミスがいくつかあるとすぐに減点が入るということになります。

ただしここでは「ミス」という表現になっていることも重要です。ここからわかることは、ネイティブレベルに「上手」でなくとも、明らかに間違った発音をしていなければ、問題ないということが分かります。

そのため、発音を上げたい場合には、発音も上手にするために、それぞれの音素を練習するのではなく、多少の日本語なまりは入っても問題ないので、発音記号通りに正しく発音する、ということを練習した方がいいことになります。

イントネーション&アクセント

イントネーション&アクセントに関しても、MEDIUMは「ほとんどの場合効果的」ということなので、大体は効果的にできていても、多少できていないところがあるとHIGHは取れない、ということになります。かなり厳しいですね。

しかし幸いなことに、イントネーションとアクセントに関しては、かなりポイントが絞られています。それは、この3つです。

  • 強調(強調すべきところを強く長く読み、しないところは短く弱く読めているか)
  • 間の取り方(ピリオドやカンマ、意味の区切れで間が取れているか)
  • 音の高低(疑問文では最後を上げて、A,B and Cの列挙は、上上下で読めているか)

強調の部分は、音読問題全てを通して意識しないといけないですので、多少難しくはあります。しかし、間の取り方はピリオドやカンマなど、気をつける部分は決まっていますし、音の高低も疑問文とA,B and Cの列挙の部分だけです。

そのため、イントネーションとアクセントに関しては、ある程度音読がスラスラできる人はポイントさえ絞って練習すればHIGHを取ることはできると思います。しかし、まだ発音するだけで精一杯の人はそこまで意識が向けられないですのでまずは発音から練習していくといいと思います。

まとめ

スコアとは別に出る発音・イントネーション&アクセントの項目は、音読問題のみで採点されている可能性がとても高いです。公式から明確に述べられているわけではないですが、ほぼ間違いないと言ってもいいでしょう。

そのためこの発音・イントネーション&ストレスの評価を上げたい場合には、音読問題に絞って対策すると良いです。

また、MAKIEIGOスクールではTOEIC Speaking&Writingの対策も行っておりますので、興味がある方はお問い合わせください。

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